2013/6/24

総合 –EUウオッチャー

ギリシャの3党連立が崩壊、政権運営が不透明に

この記事の要約

ギリシャの3党連立政権に加わってきた第6党の民主左派は21日、政府が国営放送局ERTを閉鎖したことに反発し、連立から離脱すると発表した。これによって与党の議会での議席数は過半数ぎりぎりとなり、債務危機克服に向けた財政緊縮 […]

ギリシャの3党連立政権に加わってきた第6党の民主左派は21日、政府が国営放送局ERTを閉鎖したことに反発し、連立から離脱すると発表した。これによって与党の議会での議席数は過半数ぎりぎりとなり、債務危機克服に向けた財政緊縮策の継続などで、綱渡りの政権運営を迫られることになった。

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民主左派は同日の党会合で、連立離脱を決めた。2閣僚は辞任する。閣外協力するかどうかは未定だ。

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サマラス首相は緊縮策の一環として、11日にERTの一時閉鎖を発表。ERTは12日から放送を停止している。同措置をめぐっては、連立与党の全ギリシャ社会主義運動党(PASOK)、民主左派が反対し、厳しい財政緊縮を求めるEUも、やりすぎとして批判。行政訴訟の最上級審である国家評議会は17日、撤回を命じたが、放送は再開されていない。

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同問題について最大与党の新民主主義党とPASOK、民主左派は3回にわたって協議したが、新民主主義党が再開に応じなかったため、民主左派は連立離脱に踏み切った。

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国会(300議席)で14議席を持つ民主左派の離脱により、連立2党の議席数は153と、過半数を3議席上回るだけとなる。

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ギリシャでは厳しい財政緊縮に対する国民の反感が強く、その継続には与党が強力な政権基盤を持つことが必要となる。市場では民主左派の離脱で財政再建の推進が不透明となり、EUなどによるギリシャへの追加融資実施が混迷するとの見方が広がり、同国の長期金利の指標となる10年物国債の利回りは21日、今年に入って最高となる11.35%まで上昇した。

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