2013/7/1

総合 –EUウオッチャー

伊ベルルスコーニ元首相に禁固7年の判決、未成年者買春で

この記事の要約

イタリアのベルルスコーニ元首相(76)が未成年者買春と職権乱用の罪に問われた事件の裁判で、ミラノ地裁は6月24日、元首相と有罪とし、禁固7年と公職から永久追放する刑を言い渡した。元首相は4月に発足した3党連立政権を支える […]

イタリアのベルルスコーニ元首相(76)が未成年者買春と職権乱用の罪に問われた事件の裁判で、ミラノ地裁は6月24日、元首相と有罪とし、禁固7年と公職から永久追放する刑を言い渡した。元首相は4月に発足した3党連立政権を支える自由国民党の党首として政権に大きな影響力を持つだけに、今回の判決で政局が混迷する可能性もある。

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ベルルスコーニ元首相は、首相在任中の2010年に、当時17歳だったモロッコ出身の女性ダンサーを私邸に招いて買春したほか、同女性が窃盗容疑で逮捕された際に、警察に圧力をかけて釈放させたとして、起訴されていた。

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元首相は両容疑とも否定しているが、ミラノ地裁は有罪と認定。検察の求刑(禁固6年、公職永久追放)を上回る量刑を言い渡した。元首相は無罪を主張し、控訴する方針だ。イタリアの裁判は3審制で、判決が確定するまで元首相は収監されず、公職に就くこともできる。

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イタリアでは2月の総選挙で、債務危機打開に向けて厳しい財政緊縮策、構造改革を推進してきたモンティ首相が率いる勢力が大敗。約2カ月に及ぶ政治空白を経て、第1勢力の中道左派連合、ベルルスコーニ元首相率いる第2党の自由国民党、モンティ氏の中道勢力が連立で合意し、レッタ大連立政権が発足した。

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ベルルスコーニ元首相はこれまでに、自身が経営する企業の脱税など、ビジネスが絡んだ案件で有罪判決を受けているが、私的スキャンダルでの有罪は初めて。しかも少女買春という重大な問題だけに、ダメージは大きい。

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国内では、有罪判決が確定すれば、自由国民党が抗議して連立政権から離脱するとの観測が浮上しており、今後の動きが政局を大きく左右することになりそうだ。

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