2013/7/1

環境・通信・その他

携帯ローミングの上限引き下げ、クロアチアは10分の1以下に

この記事の要約

携帯端末をEU域内の他の国で利用する際にかかるローミング料金が、7月1日に引き下げられた。昨年7月に続く第2弾の値下げとなる。同日にEU加盟国となったクロアチアにも新たな料金体系が適用されるため、モバイルインターネットを […]

携帯端末をEU域内の他の国で利用する際にかかるローミング料金が、7月1日に引き下げられた。昨年7月に続く第2弾の値下げとなる。同日にEU加盟国となったクロアチアにも新たな料金体系が適用されるため、モバイルインターネットを介したデータ通信にかかる料金がこれまでの15分の1、音声通話やショートメッセージサービス(SMS)の利用料金も10分の1程度に引き下げられ、同国で休暇を過ごすEU市民はとりわけ大きな恩恵を受けることになる。

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EUでは2007年6月に「携帯電話のローミングに関する規則」が制定され、域内の他の国で音声通話、SMS、データ通信を利用する際のローミング料金が段階的に引き下げられている。新たな料金体系(付加価値税を除く)によると、データ通信(リテール料金)は1メガバイト当たり現在の0.7から0.45ユーロに上限が引き下げられる。また、音声通話は発信時で現在の1分当たり0.29ユーロから0.24ユーロ、着信時で0.08ユーロから0.07ユーロ、SMSは1件あたり0.09ユーロから0.08ユーロにそれぞれ上限が引き下げられる。さらに14年7月にもさらなる値下げが予定されている。

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欧州委員会によると、新たな料金体系の実施により、初めてローミング料金の規制が導入された07年に比べてデータ通信は最大で91%引き下げられることになり、この間にローミング市場は630%の成長を遂げた。一方、音声通話とSMSも80%以上の値下げが実現した。クルース委員(デジタル政策担当)は「EUは常に市民の生活に寄り添っていなければならない。ローミング料金の新たな引き下げは不当な割り増し料金の完全な排除に向けた重要な一歩であり、市場から不安を取り除いて成長を促す原動力になると考えている」と述べた。

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EU市場では厳しい料金規制の流れを受け、すでにローミング料金を廃止している事業者もある。しかし、通信事業者にとってローミング料金は大きな収益源となっており、事業者の多くが規制の上限に近い料金を設定しているのが現状。このためクルース副委員長は最終的にローミング料金を撤廃し、域内のどこにいても同じ料金で各種サービスを利用できるようにする構想を打ち出し、7月をめどに法案をまとめる意向を示している。

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