2013/7/1

競争法

検索表示めぐるグーグルの改善案、競合各社が不満表明

この記事の要約

検索結果を自社に有利になるよう操作しているとして欧州委員会から競争法違反の疑いで調査を受けている米インターネット検索サービス大手グーグルが和解に向けて提出した是正案をめぐり、グーグルの競合企業は6月25日、共同記者会見を […]

検索結果を自社に有利になるよう操作しているとして欧州委員会から競争法違反の疑いで調査を受けている米インターネット検索サービス大手グーグルが和解に向けて提出した是正案をめぐり、グーグルの競合企業は6月25日、共同記者会見を開き、是正案には実効性がないとして、欧州委にこれを拒否するよう求めた。

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欧州委は、グーグルが欧州の検索市場で独占的地位を乱用し、ネット検索機能で自社関連のサービスなどをライバル社よりも優先的に表示しているという米マイクロソフトなど競合企業からの訴えを受け、2010年11月に調査を開始。13年3月にグーグルが競争法に違反しているとの初期判断を示した。これに対しグーグルは4月、検索結果ページ上でラベルを付けることなどによって自社サービスとその他の検索結果を明確に区別するほか、競合他社のサービスへのリンクを追加するなどの是正案を提出した。

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こうしたグーグルの是正案に対して競合他社からは、自社サービスを際立たせることでユーザーを誘導しよりグーグルに有利な結果になると懸念する声があがっている。マイクロソフト、オラクルなど検索サービスを提供する欧米企業17社が参加する企業団体で、共同記者会見を主催した「フェアサーチ」のトーマス・ヴィニエ顧問弁護士は、グーグルの是正案は「事態を改善するどころか、かえって悪化させる」と批判。「グーグルの提案を受け入れるよりも、何もしないほうがましだ」と主張した。また、独メディア大手プロジーベン・ザットアインスの独占禁止法問題担当責任者を務めるモーリッツ・フォン・メヴェルト氏は、グーグルがラベル付けを導入した場合、プロジーベン・ザットアインスが提供する天気予報サービスの利用者が20%減少するとのテスト結果を示し、是正案は「逆効果であり、検索結果の偏向を制度化するものだ」と述べた。

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なお、欧州委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は先月末、グーグルが提出した是正案が不十分であるとして、一層の改善を求める意向を明らかにしている。

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