2014/3/17

総合 –EUウオッチャー

アイルランドが国際支援脱却後初の国債入札、利回り過去最低に

この記事の要約

アイルランド政府は13日、10年物国債の入札を実施し、順調に10億ユーロを調達した。同国は昨年12月に国際金融支援を脱却してから、1月に銀行団を通じて37億5,000万ユーロの10年物国債を発行したが、通常の入札は初めて […]

アイルランド政府は13日、10年物国債の入札を実施し、順調に10億ユーロを調達した。同国は昨年12月に国際金融支援を脱却してから、1月に銀行団を通じて37億5,000万ユーロの10年物国債を発行したが、通常の入札は初めて。信用回復を背景に、平均落札利回りは過去最低の2.967%まで低下し、自力の財政再建が軌道に乗った形となった。

10年物国債の入札は、2010年9月以来。需要は旺盛で、応募が募集の2.9倍に達した。落札利回りは1月の3.543%を大幅に下回り、3%を割り込んだ。

債務危機に陥ったアイルランドは、2010年11月にEUと国際通貨基金(IMF)から総額675億ユーロの金融支援を取り付け、危機克服に着手。厳しい緊縮策と景気回復で財政再建が進み、昨年12月に金融支援を脱却した。

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは1月、投機的水準の「Ba1」としていたアイルランドの長期信用格付けを投資適格級の「Baa3」に格上げした。こうした信用回復で応募が殺到した。