2014/3/17

欧州ビジネスウオッチ

VW、販売台数重視から利益率重視へ転換

この記事の要約

欧州自動車最大手の独フォリクスワーゲン(VW)は13日、販売台数の拡大を優先する経営方針を転換し、利益率の向上を伴った「質的な成長」を重視する姿勢を打ち出した。2018年までに販売台数を1,000万台に拡大するとした目標 […]

欧州自動車最大手の独フォリクスワーゲン(VW)は13日、販売台数の拡大を優先する経営方針を転換し、利益率の向上を伴った「質的な成長」を重視する姿勢を打ち出した。2018年までに販売台数を1,000万台に拡大するとした目標の達成がほぼ確実となっていることを受けた措置。今後は現在導入中の新しいモジュール生産システム(MQB)を通して収益力を高めていく。

2013年の販売台数は前年比4.9%増の973万1,000台に拡大した。トヨタ自動車に次ぐ世界2位につけている。今年は1,000万台を超え、目標を4年前倒しで実現できると見込んでいる。

MQBはプラットフォームを複数のモジュールに分けた上で、車種ごとに組み合わせを変えて組み立てる生産方式。1台当たりの生産時間をこれまでより30%短縮できるほか、同生産コストも20%圧縮できる。

すでにVWは「ゴルフ」や傘下アウディの「A3」、シュコダの「オクタビア」、セアト「レオン」を同方式で生産しており、今年末に市場投入するVW「パサート」の次世代モデルも同方式に切り替える。同社はMQBの対象となる車両数を今年200万台に倍増し、16年までには400万台へと引き上げる計画だ。

同時に発表した2013年12月通期の純利益は58.2%減の91億4,500万ユーロと大きく落ち込んだ。前期の利益がポルシェの完全子会社化に伴って大幅に膨らんだ反動が出た。売上高は2.2%増の1,970億700万ユーロだった。