2014/3/17

総合 –EUウオッチャー

キプロス中銀総裁が辞任、大統領との確執で

この記事の要約

キプロス中央銀行のデメトリアデス総裁が10日、辞意を表明した。「個人・家庭上の理由」としているが、金融危機への対応をめぐるアナスタシアデス大統領との対立が背景にあると目されている。後任には会計検査院のクリスタラ・ゲオルガ […]

キプロス中央銀行のデメトリアデス総裁が10日、辞意を表明した。「個人・家庭上の理由」としているが、金融危機への対応をめぐるアナスタシアデス大統領との対立が背景にあると目されている。後任には会計検査院のクリスタラ・ゲオルガジ長官が指名された。

デメトリアデス総裁は10日、アナスタシアデス大統領に辞表を提出。これを大統領が受理した。11日に政府から後任に指名された女性のゲオルガジ氏は、4月11日付で中銀総裁に就任する。キプロス中銀の女性総裁就任は初めて。

アナスタシアデス大統領は、中銀が金融危機で2013年に清算に追い込まれた2位銀行キプロス・ポピュラー(ライキ)銀行に対して、既に再建が不能と見られていた12年に金融支援を実施したことや、EUと国際通貨基金(IMF)から金融支援を取り付けた際に、銀行の大口預金者に負担を強いるなど厳しい条件を受け入れたことをめぐり、デメトリアデス総裁を強く非難。昨年9月に確執が表面化していた。