欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/9

EUその他

欧州委、海運大手の提携を承認

この記事の要約

欧州委員会は3日、日本郵船など海運6社が参加する定期コンテナ船共同運航組織「G6アライアンス」を承認すると発表した。また、コンテナ海運世界最大手であるデンマークのAPモラー・マースクなど3社によるアライアンス「P3ネット […]

欧州委員会は3日、日本郵船など海運6社が参加する定期コンテナ船共同運航組織「G6アライアンス」を承認すると発表した。また、コンテナ海運世界最大手であるデンマークのAPモラー・マースクなど3社によるアライアンス「P3ネットワーク」についても同様に認めるとしている。

G6アライアンスは日本郵船、ハパック・ロイド(ドイツ)、OOCL(香港)、商船三井、アメリカン・プレジデント・ラインズ(シンガポールNOLグループ傘下)、現代商船(韓国)の6社で構成される。2011年末に結成され、アジア~欧州航路およびアジア~北米東岸航路で運航している。一方のP3ネットワークはG6に対抗するため結成されたコンテナ船独立運航ネットワークで、マースク、フランスのCMA CGM、スイスのメディタレニアン・シッピング・カンパニー(MSC)が参加する。同アライアンスはアジア~欧州と、太平洋・大西洋全体のコンテナ輸送の積載量全体の最大40%を占める。

欧州委競争政策部門のコロンバーニ報道官は、「欧州委は現段階でP3、G6の双方に関して(競争法に基づく)手続きを開始する考えはない」と述べたうえで、「市場動向を注視するとともに、引き続きP3あるいはG6によって生じる競争上のリスクに留意する」とし、必要があると判断した場合は介入する方針を示した。