2010/3/3

ハンガリー

ハンガリー政府、マレーヴ航空を買い戻し

この記事の要約

ハンガリー政府とロシア政府系金融機関の開発対外経済銀行(VEB)は2月26日、ハンガリーの航空会社マレーヴの株式95%を同国政府に譲渡することで合意した。マレーヴは2007年、民営化によりロシアの航空連合エア・ユニオン( […]

ハンガリー政府とロシア政府系金融機関の開発対外経済銀行(VEB)は2月26日、ハンガリーの航空会社マレーヴの株式95%を同国政府に譲渡することで合意した。マレーヴは2007年、民営化によりロシアの航空連合エア・ユニオン(AU)の傘下に入ったが、08年にAUが破たん。AUの受け皿となったVEBがマレーヴの売却先を模索していた。

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日刊紙『コメルサント』などによると、ハンガリー政府はマレーヴの第三者割当増資や債務の引き受けなどで総額252億フォリント(約9,430万ユーロ)を支払う。VEBはこれまでマレーヴに付与した3,200万ユーロの銀行保証を継続するほか、実施済みの融資をより低利で有利な条件に変更することも認めたという。

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ハンガリー政府はマレーヴの企業体質の改革と業績改善を狙って民営化を実施し、AUのオーナーが設立したエア・ブリッジ社に売却した。だが、09年も約7,000万ユーロの純損失を出すなど、経営難が続いている。

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ハンガリー政府はマレーヴの買戻しに当たり「12年の黒字化を目指す」と宣言。この達成のため、人員削減や路線網の再編、航空機や燃料供給会社、下請け企業との契約を見直す意向を示している。マレーヴはロシアの航空機メーカー・スホイの新型旅客機「スーパージェット」を10億米ドルで30機購入する契約を結んでいるが、専門家の間では「今回の取引条件のなかで明記されていない限り、キャンセルされる可能性が高い」(ロシア『航空時評』紙シニツキー編集長)とみられる。

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