2010/3/3

チェコ・スロバキア

現代自、チェコでギヤボックス生産倍増へ

この記事の要約

韓国の現代自動車がチェコ工場で、ギヤボックスの生産を倍増する。チェコ各紙が2月24日付で伝えたところによると、同社は地方当局が実施した環境影響評価で好意的な評価を得て、生産拡大に向けた障害をクリア。2011年から、同工場 […]

韓国の現代自動車がチェコ工場で、ギヤボックスの生産を倍増する。チェコ各紙が2月24日付で伝えたところによると、同社は地方当局が実施した環境影響評価で好意的な評価を得て、生産拡大に向けた障害をクリア。2011年から、同工場におけるギヤボックスの生産を現在の年30万基から60万基に引き上げる。

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チェコ工場は東部ノショビツェにある。同社はギヤボックスの生産拡大のため工場敷地内に第2生産ホールを建設する計画だったが、交通量増加による騒音、排ガスを懸念する地元住民の一部が強く反対していた。環境影響評価で計画が認められたことにより、同社は近く、新ホールの建設に着手。2011年から256人を新規雇用し、ギヤボックスの増産にあてる。

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同社は11年までに数十億コルナを投資してノショビツェ工場の自動車生産台数を年産30万台まで伸ばす計画を進めており、ギヤボックスの増産もこの計画の一環。同工場は08年秋に稼働したばかりで、09年の生産台数は11万8,000台。生産されるギヤボックスは、同工場製の現代ブランド車に搭載されるほか、スロバキアの起亜工場にも供給される。

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独フォルクスワーゲン傘下でチェコ自動車最大手のシュコダ自動車も、国内北部のムラダー・ボレスラウ工場でギヤボックスの生産を拡大する。今年末までに15億コルナを投じ、従業員を270人増加させて対応するとしており、ギヤボックス生産で自動車大手2社がしのぎを削ることになりそうだ。

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ノショビツェ工場、約50の労基法違反

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チェコ労働基準監督局はこのほど、現代自動車のノショビツェ工場の労働実態を調査し、約50の労基法違反があったと判断した。現地経済紙『ホスポダージュスケー・ノビニー(Hospodarske Noviny=HN)』が2月23日付で伝えた。同局は現代自に対し、2週間以内に是正策を提出するよう要求しており、同社が従わない場合は最高200万コルナの罰金が科される可能性がある。

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『HN』紙によると、同工場では危険な仕事に従事する従業員の健康診断を怠ったほか、過度の残業を強要したうえ適切な残業代を支払っていなかった。従業員は月曜日から木曜日まで8時間の通常労働の後、毎日2~3時間の残業が事実上義務付けられ、労使が支払いで合意したはずの昼食休憩1時間分の給料は支払われなかったという。

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また、同工場従業員の昨年の平均基本給は1万4,700コルナと、同業のシュコダ自動車の半分の水準でしかなかった。残業代として基本給に25%上乗せした賃金が支払われていたが、こうした実態に昨年12月には従業員400人が今後の残業を拒否。労組も状況が改善されなければストライキを実施すると警告していた。(1CZK=4.7JPY)

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