2014/1/22

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

クロアチア、INA経営権めぐりMOLを提訴

この記事の要約

クロアチア政府は17日、ハンガリーMOLに対し石油大手INAの経営権取り消しなどを求めている問題で、国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)に提訴したと発表した。前日に再開したMOLとの交渉は継続する。MOLも昨秋、国 […]

クロアチア政府は17日、ハンガリーMOLに対し石油大手INAの経営権取り消しなどを求めている問題で、国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)に提訴したと発表した。前日に再開したMOLとの交渉は継続する。MOLも昨秋、国際投資紛争開設センター(ICSID)に調停を申請しており、立場は同じとの主張だ。

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問題となっているのは、MOLにINA経営権を全面的に譲渡するとともに、赤字採算のINAガス事業部門を政府が買い戻すことを取り決めた2009年の投資契約だ。政府は、MOLがサナデル前首相に贈賄して合意を引き出したとみて撤回を要求している。2012年には前首相に対し、収賄罪で懲役10年の第一審判決が出た。現在、控訴審が行われている。

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MOLは政府がガス事業部門を買収する約束を果たしていないとして昨年11月、ICSIDに調停を申請した。

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INAにはMOLが49.1%、政府が44.84%を出資する。

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一方、16日の交渉は、MOLが表明したクロアチア上流事業への投資拡大計画を政府が評価するなど、両者の解決への意思を感じさせるものとなった。しかし、政府はINAに関する重要事項について共同決定権を求める姿勢を崩していない。また、MOL側も交渉が成功しない限りINA株を売却する選択肢を維持する方針のようだ。(東欧経済ニュース2013年5月8日号「MOLが政府に交渉要請、クロアチア子会社の完全買収で」を参照)

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