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2014/4/16

チェコ・スロバキア

伊エネルとスロバキア政府、モホウツェ原発拡張に4億ユーロ追加投資

この記事の要約

スロバキア電力(SE)の株主総会は8日、モホウツェ原子力発電所の新炉建設に4億ユーロを追加投資する案を承認した。投資予算の6億ユーロ追加に続く承認で、総投資額は当初の28億ユーロから38億ユーロに拡大する。SEは費用が膨 […]

スロバキア電力(SE)の株主総会は8日、モホウツェ原子力発電所の新炉建設に4億ユーロを追加投資する案を承認した。投資予算の6億ユーロ追加に続く承認で、総投資額は当初の28億ユーロから38億ユーロに拡大する。SEは費用が膨らんだ主な理由として、追加的な安全対策が義務付けられたことを挙げている。SEには伊エネルが66%、スロバキア政府が34%出資している。

モホウツェ原発計画は体制転換前にスタートした。資金難による遅れで、予定された原子炉4基のうち現在稼動しているのは2基となっている。

第3号機、第4号機の設置工事は2008年に再開されたが、資金難でまたもや中断された。設置されるのはロシア型加圧水型原子炉(VVER)で、SEによれば、福島第一原発事故以降の改良点を全て組み込んでいる。スロバキア原子力保安当局も計画を承認だ。モホウツェ原発は首都ブラチスラバの東、約120キロメートルに位置する。

第3号機は年末、第4号機は来年に稼動する見通し。当初はそれぞれ2012年末、13年秋の運転開始が予定されていた。両機の合計出力は約1,000メガワットに上る。

■原発の平均稼働率、過去最高に

SEの原発平均稼働率は昨年、93.95%に達し、過去最高を記録した。発電量はSE全体で22.84テラワット時に上り、前年実績を2%上回った。このうち原発の発電量が15.72テラワット時で他の電源を引き離してトップだった。

SEはボフニツェ原発で2基、モホウツェ原発で2基、原子炉を稼動している。