2015/3/11

総合・マクロ

ウクライナ、政策金利を30%に引き上げ

この記事の要約

ウクライナ中央銀行は3日、政策金利を10.5ポイント引き上げて30%とすることを決め、4日に新金利を適用した。国内通貨フリブナの下落を食い止めるのが狙いだが、大幅利上げは先月の5.5ポイント引き上げに続くもので、ゴンタレ […]

ウクライナ中央銀行は3日、政策金利を10.5ポイント引き上げて30%とすることを決め、4日に新金利を適用した。国内通貨フリブナの下落を食い止めるのが狙いだが、大幅利上げは先月の5.5ポイント引き上げに続くもので、ゴンタレワ総裁への批判が強まりそうだ。

中銀の外貨準備高が過去1年で170億ドルから60億ドルまで減少した。このためフリブナ買い介入の中止を迫られ、大幅利上げに踏み切った。市中の借入金利はすでに20~30%に上昇しており、新たな利上げで経済活動への深刻な影響が懸念される。

中銀はまた、輸出企業に対して外貨収入の75%をフリブナに両替することを義務付ける措置も延長した。

ウクライナは昨年2月の政変以来、ロシアによるクリミア半島併合や、親ロシア派との内戦で深刻な経済危機に陥った。フリブナの対ドル為替相場は1年前の3分の1にまで下落している。

同国の1月のインフレ率は公式統計では28.5%とされるものの、国内情勢の混乱で正確な統計をとるのは難しく、「272%」と推算する専門家もある。

政府は175億ユーロの緊急支援実施に向けて国際通貨基金(IMF)と交渉中だ。実施に当たっては、汚職対策の強化、租税制度の簡易化、財政健全化などが条件となる。早ければ11日にも支援が決定される見通しだ。

ただし、危機の根本的解決に向けては様々な改革が必要不可欠だ。内戦が続く中で痛みの伴う改革をどれだけ実行に移せるのか、政府の力量不足を懸念する声もあがっている。

■第4位銀行が倒産

ウクライナの銀行閉鎖数は昨年30行に上った。今年も年初以来、すでに10行を数えており、3日には第4位銀行のデルタ・バンクが倒産手続きを申請している。