2015/9/9

自動車

独VW、ロシアで新エンジン工場が稼動

この記事の要約

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のロシア・カルーガ工場で4日、新エンジン工場が稼動を開始した。ロシア政府による部品現地調達比率の引き上げ要請に応えるもので、年産能力は15万基に上る。VWは目下の事業環境の難しさを認 […]

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のロシア・カルーガ工場で4日、新エンジン工場が稼動を開始した。ロシア政府による部品現地調達比率の引き上げ要請に応えるもので、年産能力は15万基に上る。VWは目下の事業環境の難しさを認識しながらも、ロシア市場の長期的な成長性を見込み、同国での地位強化を図る方針だ。

政府は国内自動車産業の成長を推進するため、外国メーカーに対し、2020年までに部品の現調比率を6割に引き上げることを要求。これと引き換えに、部品輸入に優遇関税を適用している。エンジンについては2016年から現地生産車の3割に国内産のものを搭載するよう義務付けており、VWは3年前に2億5,000万ユーロのエンジン工場設置計画を発表した。

新工場はカルーガにあるVW自動車工場に隣接し、まずは同工場で組み立てている「ポロ」、シュコダ「ラピッド」向けにエンジンを生産する。将来的に現地商用車大手GAZのニージニー・ノヴゴロド工場が手がけるVW「ジェッタ」、シュコダ「オクタビア」、「イェティ」のエンジンも生産する予定。

米ゼネラルモーターズ(GM)がロシア市場から撤退した一方、フォードは露ソレルスとの合弁で3日、タタルスタン共和国のエンジン工場を開所した。年産能力は10万5,000基だ。仏ルノーも今年、ロシア南部サマラ州でエンジン工場に着工した。マツダはソレルスと合弁でウラジオストクにエンジン工場開設の準備に入っている。

ロシアの自動車市場は毎年10%を超える成長を示し、2012~13年には販売台数で欧州最大のドイツを上回る月もあった。しかし、ウクライナ紛争や原油価格下落の影響で、現在はピーク時の半分に減っている。