2015/9/9

総合・マクロ

BASF(化学)―ガスプロムとの資産交換が復活―

この記事の要約

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は4日、ロシア国営天然ガス大手のガスプロムと資産交換を行うと発表した。両社はウクライナ問題を受けて欧州連合(EU)とロシアの関係が悪化したため、同取引を昨年末に破棄した経緯 […]

化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は4日、ロシア国営天然ガス大手のガスプロムと資産交換を行うと発表した。両社はウクライナ問題を受けて欧州連合(EU)とロシアの関係が悪化したため、同取引を昨年末に破棄した経緯がある。一度断念した取引が復活した事情は不明。BASFはロイター通信に「資産交換を(当初の合意時期よりも)後に実施する可能性は(昨年末の時点で)排除していなかった」との立場を示した。

両社は2013年12月に資産交換で合意した。具体的にはBASFがエネルギー子会社ヴィンタースハルを通して西シベリアにあるガス田の採掘権を取得。ガスプロムはその見返りとして西欧で天然ガスの販売・貯蔵事業を展開する両社の合弁事業を完全傘下に収めるほか、北海南部で石油・天然ガスを採掘するBASFの完全傘下企業ヴィンタースハル・ノールドゼーの資本50%も取得することになっていた。

同資産交換は欧州連合(EU)の欧州委員会から承認され14年末に実施の予定だったが、EUとロシアの関係悪化で実現のメドが立たなくなったため、BASFは同年12月、取引を破棄すると発表していた。