2015/9/9

コーヒーブレイク

ナチスの「黄金列車」発見か~ポーランド

この記事の要約

日本でも埋蔵金伝説は津々浦々にあるが、ナチスをめぐる「お宝伝説」は規模が大きい。現ポーランドのヴロツワフに近いヴァウブジフの地下で長さ100メートルの「黄金列車」が見つかったというのだ。ポーランド文化省では情報が正しい確 […]

日本でも埋蔵金伝説は津々浦々にあるが、ナチスをめぐる「お宝伝説」は規模が大きい。現ポーランドのヴロツワフに近いヴァウブジフの地下で長さ100メートルの「黄金列車」が見つかったというのだ。ポーランド文化省では情報が正しい確率を「99%」とみて、先月28日、国防省、財務省、文化省で調査を進める方針を発表した。

「黄金列車」はナチスが第2次大戦末期に建設した巨大地下壕システムのどこかに隠されたとされる。終戦直後から噂されてきたが、対象となる地下壕システムは面積35平方キロメートルに枝分かれする巨大なもの。1945年夏の「完工時」には、ヒトラーの「総統司令部」や軍の中枢、兵器工場を置き、2万7,000人が収容できることになっていた。広さ・長さもさることながら、設計図が残っておらず、その全容が知られていないことも、「宝探し」を難しくしていた。

ところが、先月13日にヴァウブジフ市長の元に、あるポーランド人とドイツ人から1通の手紙が届いた。軍が使う地中レーダーを使って「列車をみつけた」という内容だった。証拠とされるレーダー写真も同封されていた。何でも、当時、隠すのを手伝わされた老人が、臨終前のざんげで明らかにした情報を手がかりにして発見したという。

列車に何が積まれていたのかは全く明らかになっていない。◇戦時中に行方不明になったロシア・サンクトペテルブルグのエカテリーナ宮殿の「琥珀の間」◇占領地でナチスが略奪した美術品◇ドイツ中央銀行(当時)が保有していた金――など、いろいろなことが言われている。文化省によれば、レーダー写真には「装甲列車」が写っており、中身は価値の高いものと推測されるそうだ。

戦後70年、ポーランド政府や、歴史家、考古学者、一般人がどんなに探しても出てこなかった「黄金列車」の「発見報道」に懐疑的な声も出ている。ただ、戦後に行方不明になっていたり、ユダヤ人などから略奪されたものを含む絵画1,500点が、2012年、ナチスに重用されていた美術商の息子の住居で見つかった最近の例が示すように、思いもかけないようなナチスがらみの宝が出てくる可能性は大いにある。

まずはコーヒーでも飲みながら、調査の結果を待とう。