2015/11/4

総合・マクロ

世銀のビジネス環境リポート、露が順位上げる

この記事の要約

世界銀行が10月27日発表した「ビジネス環境ランキング2016」でロシアは51位に入り、前年の54位から順位を上げた。中東欧・旧ソ連邦諸国ではカザフスタンとウズベキスタンが大きく順位を上げた一方、アルバニアが大幅に順位を […]

世界銀行が10月27日発表した「ビジネス環境ランキング2016」でロシアは51位に入り、前年の54位から順位を上げた。中東欧・旧ソ連邦諸国ではカザフスタンとウズベキスタンが大きく順位を上げた一方、アルバニアが大幅に順位を落とした。

同ランキングは189の国と地域について、企業のライフサイクルに合わせて設定した各項目について順位付けしたもの。特に中小企業に対する政府の施策や規制の影響が反映されるよう考慮されており、「起業手続」、「建築許可」、「電力供給手続」、「財産登録」、「資金調達」、「少数株主保護」、「納税」、「域外取引」、「契約履行」、「破産処理」の10の項目で評価される。

ロシアは項目別では、「電力供給手続」を昨年の53位から29位に、「資金調達」を61位から42位にそれぞれ大きく改善させた。同国ではプーチン現大統領が復帰した2012年に、同ランキングにおける順位を11年の150位から15年に50位、20年には30位まで引き上げるとの目標を掲げており、政府は規制改革などの取り組みを続けてきた。

中東欧諸国では欧州連合(EU)加盟国が比較的上位に入った。バルト三国のエストニア(16位)、リトアニア(20位)、ラトビア(22位)に、ポーランド(25位)、スロバキア(29位)、スロベニア(同)、チェコ(36位)、ルーマニア(37位)、ブルガリア(38位)、クロアチア(40位)、ハンガリー(42位)と続いた。一方、非加盟国ではマケドニアが中東欧諸国でトップの12位と大健闘を示したものの、モンテネグロは46位、セルビアは59位と落差が目立った。低迷したのはコソボ(66位)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(79位)で、最下位は昨年の62位から順位を大きく落としたアルバニア(97位)だった。

バルト三国を除く旧ソ連諸国では、ジョージアが24位でトップとなったほか、アルメニアが35位と健闘した。カザフスタンは41位で、「少数株主」と「破産処理」の改善が特に評価され昨年の53位から大きく上昇した。ベラルーシは44位で、51位のロシアにモルドバ(52位)、アゼルバイジャン(63位)、キルギス(67位)と続いた。紛争の続くウクライナは83位と低迷した。またウズベキスタンは87位だったが、「資金調達」、「財産登録」、「起業手続」を大幅に改善し昨年の103位から順位を大きく上げた。タジキスタンは132位だった。