2015/11/4

チェコ・スロバキア

チェコ、経済外交に注力

この記事の要約

チェコが経済外交に力を入れている。左派中道連立政権とゼマン大統領は取引拡大・関係緊密化を狙う国々を積極的に訪問する政策を進め、経済界の評価も高い。これまでのアジア諸国に加え、今後は中南米やアラビア諸国にも視野を広げる見通 […]

チェコが経済外交に力を入れている。左派中道連立政権とゼマン大統領は取引拡大・関係緊密化を狙う国々を積極的に訪問する政策を進め、経済界の評価も高い。これまでのアジア諸国に加え、今後は中南米やアラビア諸国にも視野を広げる見通しだ。

10月27日付の現地紙『リドヴェー・ノヴィニー』によると、メキシコには今年6月、ヤン・ムラデク商工相(社会党)が訪れ、同国ほか3カ国が加盟する太平洋同盟(PA)へのオブザーバー参加の可能性を探った。来年にはゼマン大統領がメキシコとコロンビアを歴訪する予定だ。

ゼマン大統領が選挙公約に掲げていたBRICS新興5カ国訪問では、中国とロシアに続き、来春、ブラジルを訪れる予定という。チェコ商工会議所のドゥロウヒ会頭によると、コスタリカも訪問する方向で準備が進められている。

アラビア諸国は、ムラデク商工相が今月にも6日間の日程でクウェート、オマーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアの4カ国を歴訪する。同相は、これらの国々と堅固な外交関係を築き、将来的に経済代表団が同行できるようにしたいと話している。

チェコ経済界は経済外交の積極化を高く評価している。ドゥロウヒ会頭は、大統領や大臣といったチェコの要人が足を運ぶことで門戸が広がり、新しいチャンスが生まれたり、既存の交渉が加速したりという効果があると話す。

今年9月のザオラレク外相(社会党)によるイラン訪問は多くのチェコ企業の関心をひきつけた。同外相は先月、経済代表団を伴いベトナムとマレーシアも訪れた。