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2011/10/12

経済産業情報

ドイツ取引所とNYSEの合併に欧州委が疑義

この記事の要約

フランクフルト証券取引所を傘下に持つドイツ取引所とニューヨーク証券取引所などを運営するNYSEユーロネクストは5日、欧州連合(EU)の欧州委員会から両社の統合計画に関する異議告知書を受け取ったことを明らかにした。告知書の […]

フランクフルト証券取引所を傘下に持つドイツ取引所とニューヨーク証券取引所などを運営するNYSEユーロネクストは5日、欧州連合(EU)の欧州委員会から両社の統合計画に関する異議告知書を受け取ったことを明らかにした。告知書の具体的な内容は明らかにされていない。

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ドイツ取引所とNYSEユーロネクストは2月中旬に合併で合意した。出資比率がドイツ取引所60%、NYSE40%となる新会社は、売買代金や時価総額で世界最大の取引所となる。ドイツ取引所は先物取引などを扱うユーレックスを、NYSEユーロネクストはロンドン国際金融先物取引所(LIFFE)をそれぞれ傘下に持っており、合併後の新会社は欧州の先物取引で90%を超えるシェアを握ることになる。このため、欧州委はEU競争法の問題が生じる可能性があるとして調査に乗り出した。

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両社は声明で、欧州委から異議告知書を受領したことを確認したうえで、異議告知書は「合併手続きの第2段階における通常の手順」であって、「欧州委の暫定的な立場を記載したものであり、この事案の最終結果を予断するものではない」」と強調。 両社の合併は、「資本とコストの大幅な節約を顧客にもたらし、資金調達とリスク管理のための流動性の高い統一されたEU資本市場という目標を前に進めるものであり、競争環境を大きく変えるものではないと強く確信している」と述べた。

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両社は異議告知書を受けとってから2週間以内に回答を求められており、必要であると判断されれば今月末に公聴会が開かれる可能性もある。欧州委の最終判断は早くても12月中旬となる見通しだ。

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