自動車大手Volkswagen(VW)の子会社Audi(インゴルシュタット)は4日、メキシコ中部のプエブラ州サン・ホセ・チアパスで完成車工場の起工式を行った。同工場はAudiがアメリカ大陸に持つ初めての工場。2020年までに競合BMWを抜いて世界最大の高級車メーカーになるとの目標を実現するため、同社はブラジルに生産拠点を構えることも検討中だ。
\サン・ホセ・チアパス工場に9億ユーロを投じて2016年からオフロード車「Q5」の次世代モデルを生産する。生産台数は年15万台。敷地面積は400ヘクタールで、組み立てホールのほか、塗装、プレス工場、研修センターをあわせ持つ。雇用規模は3,800人で、8月にも研修を開始する。
\メキシコには親会社VWの工場がありサプライヤーの集積が進んでいるほか、安価で質の高い労働力がある。同国は自由貿易協定を計42件も締結しているため、輸出拠点としても大きな意味を持つ。
\ブラジルは世界で4番目に大きい自動車市場で、BMWは昨秋、工場を建設することを決定した。Audiも同国生産を検討しているものの、ブラジル車と認められるにはどの部品を現地で生産しなければならないかといった問題が明らかでないため、決定を見合わせている。
\