化学大手の独ランクセスとエボニクが8日それぞれ発表した2013年1-3月期決算はともに減収減益となった。特に自動車産業への依存度が高いランクセスで不振が目立っており、同社は13年通期の営業利益(EBITDAベース、特別費計上前)が10億ユーロ未満となり、過去最高の前期(12億ユーロ)を大幅に下回るとの見通しを示した。
\ランクセスの1-3月期のEBITDA(同)は前年同期比53%減の1億7,400万ユーロに落ち込んだ。同社はタイヤやホースなどの素材である合成ゴムの世界最大手メーカー。欧州自動車市場の低迷が痛手となっており、売上高も12%減の21億ユーロへと大きく後退した。最終利益は87%減の2,500万ユーロ。業績が急速に改善する兆しはなく、国外拠点の閉鎖を検討中だ。
\エボニクの売上高は4%減の32億6,000万ユーロ、EBITDA(同)は10%減の5億8,900万ユーロにそれぞれ縮小した。一部事業の売却のほか、製品価格を平均2%引き下げたことが響いた格好。ただ、売り上げの3分の1を景気変動の影響を受けにくい飼料・医薬品・食品関連事業が占めるため、減収減益幅は比較的小さかった。13年通期決算では、売上高とEBITDA(同)で12年通期の水準を確保するとしている。
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