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2012/11/16

総合 – 自動車産業ニュース

自動車産業支援の行動計画発表、環境・安全技術への投資促進など

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は8日、欧州自動車産業の競争力強化と持続的な発展を推進するため、EUが2020年までに取り組むべき優先課題をまとめた行動計画「CARS 2020」を発表した。販売不振が続く自動車業界を活性化し […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は8日、欧州自動車産業の競争力強化と持続的な発展を推進するため、EUが2020年までに取り組むべき優先課題をまとめた行動計画「CARS 2020」を発表した。販売不振が続く自動車業界を活性化し、成長と雇用を回復するための施策をまとめたもので、環境関連や安全性向上など最先端の技術開発への投資の促進や、通商政策を通じた輸出支援などを柱とする内容になっている。

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自動車業界は約1,200万人の雇用を抱え、長年にわたり欧州経済をけん引してきたが、債務危機の影響で販売台数が落ち込み、主要メーカーが相次いで域内の工場閉鎖や人員削減などのリストラ策を打ち出している。欧州委はこうした現状を踏まえ、EU加盟国、自動車メーカー、労働組合、消費者団体などの代表で構成するハイレベル会合「CARS 21」が今年6月にまとめた報告書を基に、欧州自動車産業が競争力を維持しながら安全で環境性能の高い自動車生産を実現するための施策を検討していた。

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欧州委は2020年に向けた包括的ビジョンとして、自動車産業を引き続き戦略的に重要なセクターと位置付け、欧州メーカーが世界市場で主導権を維持するためにEUとして効率的に支援を行う必要があると指摘。具体的には◇欧州投資銀行(EIB)による融資拡大などを通じ、二酸化炭素(CO2)、汚染物質、騒音の削減、安全性向上、次世代燃料などに重点を置いた技術革新への投資を促進する◇車種認証の見直しなどを通じて域内市場における規制緩和を進める◇自由貿易協定(FTA)締結などの通商政策を通じて貿易上のあらゆる障壁を撤廃し、欧州車の輸出を支援する――などを打ち出している。

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一方、欧州委は深刻な販売不振に直面する自動車業界の課題に対応するため、11月中に主要メーカーと労組の代表、加盟国の産業担当相による会合を開き、過剰生産能力の調整や各国政府による公的支援などについて協議する方針を示している。

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