トラックの冷凍冷蔵ユニットに液体空気エンジンを導入することで、窒素酸化物(NOx)及び粒子状物質(PM)の排出量を大幅に削減できることが、英国の研究機関がこのほど発表した研究報告書で明らかになった。
リキッドエア・エネルギー・ネットワーク、センター・フォー・ローカーボン・フューチャーズおよびバーミンガム大学の共同研究報告書『リキッドエア・オン・ザ・ハイウェイ』によると、1万3,000台の輸送用トラックで冷凍冷蔵ユニットの冷却用エンジンを液体空気エンジンに交換すれば、NOxの排出量を年間1,800トン、PMの排出量を同180トン削減できるという。
液体空気はクリーンな代替動力源として研究が進められてきた。ロンドンに本社を構えるディアマン・エンジン・カンパニーは、今夏から冷凍冷蔵ユニット用液体空気エンジンの実車試験を開始し、2016年には商業生産をスタートさせる計画だ。報告書では、25年までに英国の液体空気エンジン生産数は17万3,000台に達し、売上高は7億1,300万ポンドにのぼると試算している。
『リキッドエア・オン・ザ・ハイウェイ』の編集を担当したストラハン氏は、「9カ月にわたる技術開発担当者、工業ガスのエキスパート、輸送コンサルタント、フリートオペレーターからのデータ収集作業の結果、液体空気には信じられない程の経済面・環境面でのポテンシャルがあることが明らかになった」と述べている。