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2010/7/9

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ロシュリング・グループ

この記事の要約

ドイツの樹脂部品メーカー。自動車用樹脂部品と高機能プラスチックの2分野を事業の柱とする。自動車向けでは、エンジンの吸気系部品や防音性に優れるエンジンのデザインカバー、ドアパネルなどの内装部品を製造している。\ 1822年 […]

ドイツの樹脂部品メーカー。自動車用樹脂部品と高機能プラスチックの2分野を事業の柱とする。自動車向けでは、エンジンの吸気系部品や防音性に優れるエンジンのデザインカバー、ドアパネルなどの内装部品を製造している。

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1822年創業の同族企業で200年近い歴史を持つ。本社をマンハイムに置く。経済危機の影響で2009年は売上高が8億3,130万ユーロ(前年比22.1%減)に低迷、従業員数も5,450人(同12.0%減)に減少した。

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同社は創業当初、石炭の販売を事業としていた。19世紀の半ばにコークスの生産を始め、金属加工事業に参入、1880年代には鉄鋼所を買収し、鉄鋼業に参入した。また、1920年には企業買収を通して樹脂加工にも事業を広げた。さらに、1970年代後半からは、通信や自動車部品、計測技術など事業の多角化を進め、複合企業へと成長していった。

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中でも好調に推移していた樹脂加工事業では1980年代から投資を拡大した。その後、経営戦略の見直しにより、2005年までに経営資源を樹脂関連事業に集中する方向に転換、非中核事業を分離売却していった。2006年以降は企業買収などにより樹脂事業のポートフォリオを強化している。

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独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、同社は国外事業を強化する方針で、今後2年以内に3~4工場を建設する計画。具体的には、米国北部、中国南部、ルーマニアに生産拠点を開設することを検討している。ルーマニアでは顧客であるフォードのクラヨバ工場の近くに工場を建設する予定という。

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同社は自動車関連の売上高が全体の5割近くを占める。同事業分野の2009年売上高は19.3%減の4億4,640万ユーロに後退。このため、同分野の投資を43%減の1,770万ユーロに抑えたほか、従業員も13%減の3,240人に削減した。

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2010年1-3月期のグループ売上高は前年同期比22%増の2億3,940万ユーロに改善。受注高は39.6%増の2億5,670万ユーロと好調に推移している。

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