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2014/1/10

クローズアップ

FTF out of the box

この記事の要約

倉庫などでの使用を想定した無人運搬車両の開発プロジェクト。ドイツのハノーファー統合生産研究所(IPH)などが参加している。音声や身振りをで作業を指示できるほか、作業場のレイアウトの変更なども認識できる自動運転車両の開発を […]

倉庫などでの使用を想定した無人運搬車両の開発プロジェクト。ドイツのハノーファー統合生産研究所(IPH)などが参加している。音声や身振りをで作業を指示できるほか、作業場のレイアウトの変更なども認識できる自動運転車両の開発を目指している。

従来の無人運搬車は、床に組み込んだラインやセンサーなどに反応して決められた走行路しか走行できず、設備投資の負担が大きいほか、実際に使用するまでに時間がかかる難点があった。

今回のプロジェクトでは、事前の設備投資を必要とせず、箱から出してすぐ使用できるような(out of the box)無人運搬車両の開発に取り組んでいる。

例えば、作業員が運搬するパレットを指で示し、「このパレットを12番の棚の3段目に運べ」と言葉で指示すると、身振りや音声を理解して指示された荷物を指定の場所に運ぶことができるようなシステムの開発を目指している。また、棚の位置を変えても環境の変化を記憶して柔軟に対応することも可能にする計画という。

同プロジェクトに参加するゲッティング(本社:レールテ、ハノーファー近郊)は、センサーや無線技術などを使用した小型の無線運搬車(写真)を開発した。プロジェクトの研究チームは、この小型モデルをベースに無人運搬車を開発する計画という。

リューベック大学技術情報学研究所(ITI)はナビゲーションシステムを開発する。プロジェクトの調整役を務めるフォークリフトメーカーのユングハインリッヒは、同社のフォークリフト2台にシステムを組み込み、倉庫で試験運用する。研究チームは試験運用を繰り返し、改良を重ねていく計画という。

最終的には、物流会社や工場などの作業現場で実証試験を実施する計画で、エンジンメーカーのMTUや自動車大手のダイムラーなどがすでに実証試験への参加を希望しているという。

プロジェクトの実施期間は2013年10月1日から3年間。先進的な工業生産技術の開発に向けた研究開発プログラム「AUTONOMIK fuer Industrie 4.0」の一環としてドイツ政府が資金援助している。

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