ベルリンで開催された第9回ドイツITサミットで連邦経済エネルギー省が11月19日に発表した新しい支援プログラム。約5,000万ユーロ の予算を計上し、産業のデジタル化を目指す「インダストリー4.0」の取り組みを支援する。
政府は支援プログラムを通して、ドイツの産業立地としてのイノベーション力と競争力を強化し、高性能製品の生産国として世界を主導する地位を確立することを目指している。製品設計や物流、サービスロボット、産業用3D技術、産業用通信技術など様々な分野の支援・連携を促すと同時に、法律、ITセキュリティ、規格・標準化、産業のデジタル化における雇用など産業のデジタル化の受け入れ・利用の基盤となる業界を横断するテーマも取り扱っていく。
連邦経済エネルギー省よると、ドイツでは工業生産工程のデジタル化・ネットワーク化により中期的に年300億ユーロ以上の増収効果があり、生産性は最大30％向上すると見込まれている。また、研究分野ではデジタル化に必要な多くの技術でトップクラスにあるが、実用化に向けては学術的なネットワークと中堅企業も含めた民間企業との連携が必要になると指摘する。このため、新しい支援プログラムを通して革新的なアイデアや研究成果の実用化を支援する 。
具体的には、物流分野での連携、サービスロボット向けのプラットフォーム、3次元（3D）プリンターや3D画像計測装置による生産の品質管理、生産工程における企業間のネットワーク化に寄与する通信技術――などを支援していく。
