2010/3/8

産業・貿易

たばこ最低販売価格制は違法、欧州司法裁が欧州委に軍配

この記事の要約

欧州司法裁判所は5日、オーストリアやフランス、アイルランドがたばこ製品に導入している最低販売価格制度は企業の自由な競争を阻害しEUのルールに違反するとして欧州委員会が提訴していた問題で、欧州委を支持する判断を下した。\ […]

欧州司法裁判所は5日、オーストリアやフランス、アイルランドがたばこ製品に導入している最低販売価格制度は企業の自由な競争を阻害しEUのルールに違反するとして欧州委員会が提訴していた問題で、欧州委を支持する判断を下した。

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3カ国はたばこの最低販売価格制について、公衆の健康を守るための措置と主張していた。しかし欧州裁は、一部の企業にとっては生産コストを低く抑えて有利な価格を提供できる利点を活かせないため競争を阻止していると指摘。健康上の目的なら販売価格の調整ではなく、課税引き上げによって対応できるとして、欧州委に軍配を上げた。

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アイルランドのたばこ会社PJキャロルは今回の判決を歓迎し、「現実問題として最低販売価格の設定は的外れとなっている。国内でもブラックマーケットでは1箱3.5ユーロ程度と、最低販売価格の7.75ユーロの半分以下で売られている」と語った。一方、アイルランドがん協会や禁煙団体のASHは判決に対して失望と懸念を示している。

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