2010/12/6

環境・通信・その他

ディーゼル燃料の低硫黄化、EUがリード

この記事の要約

米国に本部を置く国際燃料品質センター(IFQC)は1日、ディーゼル燃料に残留する硫黄分を制限する規則の改善が進んでいる上位100カ国の最新リストを公表し、EU加盟国が上位を占めていることを明らかにした。\ EUは域内全体 […]

米国に本部を置く国際燃料品質センター(IFQC)は1日、ディーゼル燃料に残留する硫黄分を制限する規則の改善が進んでいる上位100カ国の最新リストを公表し、EU加盟国が上位を占めていることを明らかにした。

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EUは域内全体を対象として2009年1月以降、ディーゼル燃料に認められる硫黄分を10ppm以下とする規則を施行している。このため、すべての加盟国がリストのトップ10に入った。ドイツが2位で、デンマーク、ハンガリー、ルクセンブルグ、オランダが5位、その他の加盟国はすべて9位だった。1位はスイス。

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そのほか域外の国では、3位に日本、4位にフィンランド、9位にアイスランド、イスラエル、オーストラリア、韓国、スイス、トルコ、ニュージーランド、ノルウェー、リヒテンシュタインが入った。順位は燃料に残留する硫黄分の許容限界によって決められており、IFQCが半年に一度、更新している。

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ディーゼル燃料は熱効率や燃費がよく、二酸化炭素(CO2)の排出が抑えられる一方で、燃焼時には炭素からなる黒鉛や、燃料に含まれる硫黄分から生成された硫黄化合物(サルフェ―ト)、潤滑油の成分などといった粒子状物質(PM)、および窒素化合物(NOx)を多く排出する。PMは一部が大気中に長期間滞留して人の健康を害し、NOxは酸性雨を引き起して人体および環境にも悪影響をもたらすとされる。このため、自動車に利用されるディーゼル燃料などに残留する硫黄分については削減への努力が続けられており、排ガス後処理システムの能力向上が世界的に推進されている。

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