2010/12/13

産業・貿易

EUが露のWTO加盟を正式支持、来年中の加盟に向け前進

この記事の要約

欧州委員会は7日、ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟に対する正式な支持を表明した。ブリュッセルで開かれていたEU・ロシア首脳会談と併せて、欧州委のデフフト委員(通商担当)とナビウリナ露経済発展相が覚書を締結したもので、ロ […]

欧州委員会は7日、ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟に対する正式な支持を表明した。ブリュッセルで開かれていたEU・ロシア首脳会談と併せて、欧州委のデフフト委員(通商担当)とナビウリナ露経済発展相が覚書を締結したもので、ロシアはWTO加盟に向けて大きく前進した。

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ロシアはすでに米国との協議でも妥結しており、欧州委のバローゾ委員長は「ロシアの来年のWTO加盟が現実的になった」と評した。EUとロシアは11月末に懸案となっていたロシアの材木など原材料に対する輸出税の撤廃や鉄道輸送料金引き下げで合意し、二者間の協議は妥結していた。

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今回の話し合いでは材木の輸出税の段階的撤廃に向けて現行の税率を引き下げるほか、アジアからロシア経由で欧州に入る鉄道貨物輸送の料金引き下げでも合意した。ただし外交筋によれば、欧州産食肉に対するロシアの輸入関税や欧州の航空会社に対するシベリア上空通過料金などの交渉が残されているという。

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ロシアはWTO未加盟国としては最後の大国。加盟すればロシアのGDPは中期的には3.3%、長期的には11%引き上げられるという。ただ加盟には全加盟国との2国間交渉をまとめる必要があり、ロシアとの領土問題から加盟拒否を続けるグルジアとの協議がカギとなる。

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