2010/12/13

欧州ビジネスウオッチ

独エネルギー大手EnBW、仏EDFが資本撤退

この記事の要約

独バーデン・ヴュルテンベルク(BW)州のシュテファン・マップス首相は6日、同州に本社を置くエネルギー大手EnBWの株式45.01%を仏国営電力会社EDFから買い取ることを明らかにした。EDFはEnBWの買収を目指したもの […]

独バーデン・ヴュルテンベルク(BW)州のシュテファン・マップス首相は6日、同州に本社を置くエネルギー大手EnBWの株式45.01%を仏国営電力会社EDFから買い取ることを明らかにした。EDFはEnBWの買収を目指したもののBWサイドの抵抗が強く実現不可能と判断。EnBWの経営方針をめぐる対立もあったため、資本の全面撤退に踏み切る。

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BW州はEDFが保有するEnBW株を1株当たり41.50ユーロ、総額46億7,000万ユーロで取得する。中期的にはそのすべて、または大部分を市場に放出し、EnBWをDAX(ドイツ株価指数)採用銘柄としたい考えだ。

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EDFは2001年、EnBWに資本参加し、ドイツ市場開拓の開拓を本格的に開始。将来的にはEnBWを買収する意向だったが、他の出資者であるBW州のエネルギー事業者の抵抗が強く断念に追い込まれた格好。EnBWを事業国際化の手段とみるEDFと地元のエネルギー供給を最優先するBW州の利害対立も大きく影響した。このほか、風力発電の拡大や原発稼働期間の延長を受けて独電力市場が供給過多に陥るとの懸念もEDFの資本撤退を後押しした。

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