2011/3/21

環境・通信・その他

クロマグロの漁獲停止措置は無効、欧州裁が国別差異に違法判決

この記事の要約

欧州司法裁判所は17日、欧州委員会が2008年にクロマグロの年内の漁獲を停止した措置を無効とする判決を下した。スペインに対する停止措置がマルタやギリシャ、フランス、イタリア、キプロスより1週間遅れたことが非差別の原則に反 […]

欧州司法裁判所は17日、欧州委員会が2008年にクロマグロの年内の漁獲を停止した措置を無効とする判決を下した。スペインに対する停止措置がマルタやギリシャ、フランス、イタリア、キプロスより1週間遅れたことが非差別の原則に反しているためとしている。

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地中海と東大西洋のクロマグロの通常の漁期は1月1日~6月30日だが、欧州委員会は2008年にクロマグロの漁獲量が漁獲枠に達したとして、スペイン以外の5カ国には6月16日からの漁獲停止を命じた。しかし、スペインには6月23日から停止措置が適用されていた。これに対してマルタのマグロ輸入業者は、フランスやイタリアとの漁業関係者との契約が満たされずに損害を受けたのは欧州委の禁漁措置によるものとして、マルタの裁判所に提訴。マルタの裁判所は欧州裁に判断を委ねていた。

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欧州司法裁は「クロマグロの資源量を保護する目的のために異なる扱いをする客観的な正当性はない」として、スペインの漁船だけが漁獲を余分に1週間認められた措置を無効とした。今回の判決により5カ国では同様の提訴が相次ぐ可能性がある。

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