2011/4/4

産業・貿易

ライアンエアーがEU規則に反発、欠航に備え追加料金徴収

この記事の要約

欧州格安航空会社大手のライアンエアー(アイルランド)は3月30日、運航の遅延や欠航の際に乗客に支払う賠償費用を補てんするため、乗客1人につき1回の搭乗に2ユーロを徴収すると発表した。これは乗客への賠償を義務付けたEUの規 […]

欧州格安航空会社大手のライアンエアー(アイルランド)は3月30日、運航の遅延や欠航の際に乗客に支払う賠償費用を補てんするため、乗客1人につき1回の搭乗に2ユーロを徴収すると発表した。これは乗客への賠償を義務付けたEUの規則261号に異議を唱えるもので「EU261税」と名付け、4月4日の搭乗分から対象となる。

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同社によれば、昨年は欠航により1億ユーロを超える費用が発生したという。昨年は4月にアイスランドの火山噴火による火山灰の影響で欧州の空路がマヒしたほか12月には各国で大雪に見舞われて空港が閉鎖され、ベルギーやフランス、ドイツ、スペインで航空管制官のストライキも相次いだためだ。

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ライアンエアーの広報担当者は「不可抗力による欠航に対して、航空会社だけが乗客の食事や宿泊を提供する義務を負わされるのは明らかに不公平」と主張。EU規則が改正されれば、追加徴収は廃止するか減額するという。ただし同社は様々な追加料金で悪名高く、予約でクレジットカードを使うと24ユーロ、荷物を1個預ければ70ユーロ、2個では最大280ユーロ、乳児を抱えて搭乗すれば40ユーロと料金が跳ね上がる仕組みになっている。今回の追加徴収でも1年間で同社には約1億5,600万ユーロの収入をもたらす計算となる。

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