2013/8/26

欧州ビジネスウオッチ

オランダ政府、ABNアムロの再上場を検討

この記事の要約

オランダ政府は23日、2008年の金融危機に際して国有化した金融大手ABNアムロの再上場を検討していることを明らかにした。早ければ2014年下期に新規株式公開(IPO)を実施して株式を売却し、民営化させる計画だ。\ 国有 […]

オランダ政府は23日、2008年の金融危機に際して国有化した金融大手ABNアムロの再上場を検討していることを明らかにした。早ければ2014年下期に新規株式公開(IPO)を実施して株式を売却し、民営化させる計画だ。

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国有化後のABNアムロの業績は、国内経済の停滞で苦戦しているものの、利益は確保している。同日発表した2013年1-6月期の純利益は、不良債権の減損処理で前年同期比3%減の8億1,700万ユーロとなったが、本業は堅調で金利、手終了収入は増加。中核的な自己資本比率はバーゼル3の最低基準を大きく上回る13.3%に達した。

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政府は株式売却で大きな条件となる自己資本比率の改善を受けて、再上場の検討に入った。ダイセルブルーム財務相は向こう1年間にわたって同行の健全性や市場環境を見極めた上で、IPOの時期を決めたいとしている。ABNアムロのヘリット・ザルム最高経営責任者(CEO)は同日発表した声明で、「IPOは、議会の承認が得られれば、15年上期に実施されるだろう」と述べた。

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ルッテ首相によると、政府はABNアムロの価値を150億ユーロ程度と見積もっている。政府が同行救済に投じた額は総額279億ユーロに上っており、全額の回収は難しい情勢だが、ダイセルブルーム財務相は同行の再上場は資金回収よりも多くの銀行が国有化されている金融市場の正常化が主な目的だとしている。

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