2013/9/16

産業・貿易

EUの空売り規制は基本条約に抵触、欧州裁法務官が英国支持の判断

この記事の要約

欧州司法裁判所は12日、EUで昨年に導入された株式、債券の空売り規制がEU基本条約に抵触するという法務官見解を示した。欧州証券監督機構(ESMA)が空売りの一時禁止を加盟国に命じる権限を持つことを問題視する英国の主張を支 […]

欧州司法裁判所は12日、EUで昨年に導入された株式、債券の空売り規制がEU基本条約に抵触するという法務官見解を示した。欧州証券監督機構(ESMA)が空売りの一時禁止を加盟国に命じる権限を持つことを問題視する英国の主張を支持した形となる。

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金融危機再発防止策の一環として2012年11月に導入された同規制では、株式、債券が異常な値動きを示すといった緊急時に、ESMAが加盟国に空売り禁止を命じることができる。これについて当初から難色を示していた英政府は、空売り規制そのものは支持するとしながらも、EU機関のESMAが加盟国に対して強力な権限を持つことが認められる法的根拠が不明として、欧州裁に判断を求めていた。

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欧州裁のヤースキネン法務官は、ESMAに与えられた権限は、EU単一市場が機能するために必要な調和的措置の枠を超えたもので、加盟国の全会一致で承認した場合にのみ認められると指摘。英国などが反対した同規制はEU基本条約に抵触するとの判断を下した。

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法務官の見解に法的拘束力はないが、欧州裁の最終判決で踏襲されるのが慣例となっており、同規制が無効となる可能性が出てきた。

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