2013/9/16

環境・通信・その他

欧州議会がバイオ燃料規制法案を可決、欧州委案より緩やかな内容に

この記事の要約

欧州議会は11日に開いた本会議で、食用植物のバイオ燃料への転用を規制する法案を賛成多数で可決した。EUの輸送部門が消費するエネルギーに占める同燃料の比率を2020年までに最大6%に制限する一方で、食用植物を利用しない「第 […]

欧州議会は11日に開いた本会議で、食用植物のバイオ燃料への転用を規制する法案を賛成多数で可決した。EUの輸送部門が消費するエネルギーに占める同燃料の比率を2020年までに最大6%に制限する一方で、食用植物を利用しない「第2世代」バイオ燃料の同比率を2.5%以上にするという内容。加盟国の承認を経て成立となるが、欧州委員会の原案より緩やかな規制となっているため、調整が難航する可能性がある。

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EUが2009年に制定した「再生可能エネルギー指令」は、温室効果ガス排出削減の一環として、道路・鉄道運輸における再生可能エネルギーの利用比率を2020年までに10%以上とすることを目標に掲げ、加盟国に達成を義務づけている。その柱となるのがバイオ燃料の利用促進だが、欧州委は昨年10月、菜種や大豆などの食用作物を原料とする従来型バイオ燃料の利用を制限する方針を打ち出した。二酸化炭素(CO2)の吸収源である森林などが農地に転用されることで、逆に温効ガス排出が増加する恐れがあることや、食料生産の減少を懸念したためだ。

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欧州委の原案では、従来型バイオ燃料の比率を最大5%に制限することになっていた。しかし、欧州議会の環境委員会は7月、バイオ燃料生産者の反発を考慮し、同制限を5.5%に緩和する修正案を可決していた。本会議では、これをさらに6%まで引き上げる修正案が賛成356、反対327の僅差で可決された。ただし、藻類や農産廃棄物などを原料とする「第2世代」バイオ燃料がエネルギー消費に占める比率を20年までに2%以上にするという環境委の決定に関しては、同比率を2.5%と厳しくし、バランスをとった。

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