2013/10/14

環境・通信・その他

温効ガス削減目標は「達成目前」、エネルギー効率改善は足踏み=EEA

この記事の要約

欧州環境庁(EEA)が9日公表したレポートによると、EU域内における2012年の温室効果ガス排出量は基準年の1990年比で18%減となり、EUが公約している20年までに温室効果ガスを少なくとも20%削減するとの目標達成に […]

欧州環境庁(EEA)が9日公表したレポートによると、EU域内における2012年の温室効果ガス排出量は基準年の1990年比で18%減となり、EUが公約している20年までに温室効果ガスを少なくとも20%削減するとの目標達成に向けて順調に前身していることが確認された。一方、京都議定書で08-12年に90年比8%の排出削減が義務づけられた従来からのEU加盟15カ国では、目標を大幅に上回る12.2%の削減を達成した。

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EEAは「20年までの目標である20%削減はもう目の前だ」と強調。15カ国ベースの排出実績に関しては「すでに京都議定書で定められた目標を大幅に上回る削減を達成しており、年間2億3,600万トンの超過削減を実現した計算になる」と評価した。そのうえで、オーストリア、ルクセンブルク、スペインの3カ国については削減義務を達成できなかったため、大量の排出権を購入する必要があると指摘している。

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一方、EUは20年までに全エネルギーに占める再生可能エネルギーの利用比率を20%まで高める目標を設定しているが、この割合は11年時点で13%に達し、11-12年に11.7%とした中間目標を上回った。

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これに対し、エネルギー効率を20年までに20%改善するとの目標は達成が危ぶまれる状況にある。EEAによると、現時点で順調に推移しているのはベルギー、デンマーク、フランス、ドイツの4カ国のみで、「経済危機の影響もあり、大部分の加盟国では主要セクターで計画通りに政策が実行されていない」と指摘している。

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