2014/2/17

産業・貿易

EUとASEAN、航空自由化協定の交渉開始へ

この記事の要約

EUとASEAN(東南アジア諸国連合)は11、12日にシンガポールで開いた航空サミットで、航空自由化(オープンスカイ)協定締結の交渉開始を目指すことをうたった共同宣言を採択した。欧州委員会がEU加盟国の承認を得た上で、準 […]

EUとASEAN(東南アジア諸国連合)は11、12日にシンガポールで開いた航空サミットで、航空自由化(オープンスカイ)協定締結の交渉開始を目指すことをうたった共同宣言を採択した。欧州委員会がEU加盟国の承認を得た上で、準備作業に入る。

オープンスカイは航空市場を相互に開放する協定。路線や便数、運賃などの規制を撤廃し、航空会社が関係国政府を通さず、原則的に自由に設定できるようになる。

EU、ASEAN加盟国の運輸相などが出席して開かれた航空サミットでは、両地域を結ぶ航空路線の利用者が急増しており、2012年に15年前の2倍以上に相当する1,000万人余りに達したことなどを踏まえ、市場自由化が双方の航空産業、経済に一層大きな利益をもたらすとの考えで一致。オープンスカイ協定締結に向けた交渉を開始する方針を確認した。

双方は欧州委員会がEU28カ国から交渉の委任を取り付けた上で、共同作業部会を設置し、交渉開始に向けた予備協議を行うことになる。

EUは米国、カナダ、モロッコ、西バルカン諸国、ヨルダン、グルジア、モルドバ、イスラエルとオープンスカイ協定を締結済み。3月にはウクライナとの調印が予定されている。一方、ASEANは2011年に中国との同協定が発効。日本、韓国との協定締結向けた交渉開始も検討している。

経済地域間の航空自由化協定は初めて。EUは2012年9月に発表した域内航空業界の競争力強化に向けた戦略で、航空市場が急成長しているASEANとの航空自由化を目指す方針を打ち出していた。