欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/7/20

西欧

ダイムラー、サプライチェーンを改革

この記事の要約

自動車大手の独ダイムラーは16日、乗用車用部品のサプライチェーンを改革する計画を発表した。車両生産の国際化とモデルの多様化を受けて部品の輸送距離が伸び、輸送ルートも複雑化していることに応じたもの。改革により部品供給の安定 […]

自動車大手の独ダイムラーは16日、乗用車用部品のサプライチェーンを改革する計画を発表した。車両生産の国際化とモデルの多様化を受けて部品の輸送距離が伸び、輸送ルートも複雑化していることに応じたもの。改革により部品供給の安定性を高めるとともに、物流コストを圧縮する。第1弾として、同日に欧州域外向け部品の輸送統括センターを独南部のシュパイヤーに開設した。

ダイムラーではこれまで、欧州域外向けの部品輸送を独北部のブレーメンの物流事業者を通して行ってきた。

シュパイヤーの新拠点はドイツを南北に分けるいわゆる「マイン線」以南の独・欧州のサプライヤーを対象としたもので、これらのサプライヤーは今後、同拠点まで部品を輸送。集められた部品はシュパイヤーから独北部のブレーマーハーフェン港とベルギーのアントワープ港に鉄道、河川、トラックで運ばれ、中国、米国、南アフリカの完成車工場に輸出される。これにより、輸送距離が大幅に短縮されるという。

シュパイヤー部品輸送統括センターは敷地面積が25万平方メートルと大きく、全長1キロのホールが設置されている。投資額は9,000万ユーロ、新規雇用は400人。同社の乗用車の3分の1に当たる65万台向けの部品を毎年、輸送する。

ダイムラーは同様のセンターを今後、中国と北米にも開設。車両1台当たりの物流コストを20%引き下げる考えだ。