欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/10/19

東欧・ロシア・その他

ガスプロム、ウクライナへのガス供給再開

この記事の要約

ロシア国営ガス会社ガスプロムは12日、ウクライナへの天然ガス供給を再開したと発表した。同国へのガス供給は6月末に価格改定交渉が決裂して以来。両国は先月25日、欧州連合(EU)の仲介によりブリュッセルで会談し、ウクライナへ […]

ロシア国営ガス会社ガスプロムは12日、ウクライナへの天然ガス供給を再開したと発表した。同国へのガス供給は6月末に価格改定交渉が決裂して以来。両国は先月25日、欧州連合(EU)の仲介によりブリュッセルで会談し、ウクライナへ10月1日から来年3月末までの6カ月間、天然ガスを供給することで合意していた。

合意内容にはガス価格の引き下げも盛り込まれており、ロシアは1,000立方メートル当たり251ドルから230ドルへ引き下げる。

ガスプロムのアレクセイ・ミレル最高経営責任者(CEO)によると、ウクライナ側から10月のガス供給分の代金5億ドルのうち2億3,400万ドルが支払われたという。同社は代金が前払いされない限りガス供給再開には応じないとしていた。欧州委員会はウクライナに対し、ガス購入資金として5億ドルの融資を保証している。

ガスプロムは欧州のガス需要の約3分の1を供給し、その内約半分はウクライナを経由する。ロシアは2006年と09年にも価格交渉の決裂を受けて供給を停止した経緯がある。