2011/6/15

総合・マクロ

ナブッコパイプラインの事業体、通過国と協定締結

この記事の要約

天然ガスをカスピ海から欧州へ輸送するナブッコ・ガスパイプライン計画の事業体NICは8日、同パイプラインが通過する中東欧諸国とトルコの計5カ国の政府とそれぞれプロジェクト支援協定を締結した。同協定には、欧州連合(EU)とト […]

天然ガスをカスピ海から欧州へ輸送するナブッコ・ガスパイプライン計画の事業体NICは8日、同パイプラインが通過する中東欧諸国とトルコの計5カ国の政府とそれぞれプロジェクト支援協定を締結した。同協定には、欧州連合(EU)とトルコのエネルギー法の下でパイプラインの通過を保証する枠組みやナブッコ計画の法的保護、各国政府の支援措置などが盛り込まれており、NICは今後、長期の資金調達や各国間の効果的な調整が容易になると期待している。NICは5月に、パイプラインの着工を2013年とし、稼働は予定より2年遅れの2017年になると発表したが、今回の協定締結は計画推進のための一歩となる。

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ウィーンに本社を構えるNICは、ナブッコパイプラインを開発、建設、運営する企業コンソーシアムで、オーストリア、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、トルコとドイツのエネルギー企業6社が等分出資で参加している。うちドイツを除く5カ国の政府が今回、NICと協定を結んだ。

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カスピ海沿岸からオーストリアまで伸びる同パイプラインの総工費は約79億ユーロ。NICは現在、40億ユーロの融資を受けるため、欧州復興開発銀行(EBRD)、欧州投資銀行(EIB)、世界銀行傘下のIFCと交渉を進めており、年内に結論が出ると見込んでいる。

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