ロシア2位銀行で国営の外国貿易銀行（VTB）がモスクワ証券取引所で新規発行株を売り出し、1,030億ルーブル（25億ユーロ）を調達する計画だ。同行が26日に発表した。政府が新株を引き受けなければ、その出資比率は現行の75.5％から60％強に縮小する。VTBは2016年までの完全民営化が予定されている。
\2007年の上場時に比べて株価が半分に下落していることを踏まえ、売出価格は1株0.04ルーブルと26日終値より約9％低い水準に抑える。少数のロシア実業家および現株主が新株を購入すると予想されている。ただし、政府および国営企業が引き受ける可能性もゼロではない。
\VTBはすでにロンドン証取にグローバル預託証券（GDR）を上場している。しかし、今回は資金調達規模が大きいため、国際投資家による購入が制限されるデメリットを承知の上で、モスクワ証取での公開を選択したとみられる。
\VTBは昨年末の自己資本比率（Tier 1)が10.3％に改善したが、危機に備えた経営体力強化と融資拡大に向けて、さらなる資本が必要となっている。
\なお、ロシアは今年、自己資本比率規制としてこれまでの「バーゼル1」に代わり「バーゼル2」および「バーゼル3」に準じた新規則を採用する予定だ。
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