2013/5/2

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

セルビアの赤字製鋼所、9カ月ぶりに操業再開

この記事の要約

セルビアのスメデレボ製鋼所がこのほど、9カ月ぶりに操業を再開した。国際放送のラジオ・セルビアがディンキッチ財務・経済相の話として伝えたところによると、これにより5,000人の雇用が維持できる見通しだ。ただ、操業の継続は外 […]

セルビアのスメデレボ製鋼所がこのほど、9カ月ぶりに操業を再開した。国際放送のラジオ・セルビアがディンキッチ財務・経済相の話として伝えたところによると、これにより5,000人の雇用が維持できる見通しだ。ただ、操業の継続は外国投資家の獲得と顧客の確保が成るかどうかにかかっている。正念場はこれからだ。

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スメデレボ製鋼所は今年、月7万トンの生産を計画する。年内の生産分については、すでに出荷先が決まっているという。それでも、今年の赤字は2,000万ユーロに上る見通しだ。

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ディンキッチ財務・経済相によると、現在「欧州のある大手鉄鋼会社」と技術面を含めた提携に向けて交渉しているという。政府としては将来的にこれを戦略提携につなげたい意向だ。

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また、フィアットのセルビア工場に亜鉛メッキ鋼を納入する方向でも交渉が進められている。これが実現すれば、自動車用鋼板の生産に必要な投資が可能となり、製鋼所の将来に大きなプラスとなると期待されている。

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スメデレボ製鋼所は2003年、米鉄鋼大手USスチールに2,300万米ドルで売却された。しかし、バルカン地域経済の伸び悩みや安価な輸入品の流入が鉄鋼製品の需要を圧迫。USスチールの撤退に伴い、昨年1月に再国有化された。

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不振とはいえ、スメデレボ製鋼所はセルビアの輸出の10%を超える重要企業だ。その行方は国政を左右する問題になりかねない。

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