2013/5/2

バルト三国

エストニア物流産業、12年は5.3%成長

この記事の要約

エストニアの物流産業は2012年に前年比5.3%の成長を遂げた。同国はロシアなど独立国家共同体(CIS)諸国へのトランジット拠点として重要な位置を占めており、2011年は国際トランジット貨物が貨物取扱量の44.3%を占め […]

エストニアの物流産業は2012年に前年比5.3%の成長を遂げた。同国はロシアなど独立国家共同体(CIS)諸国へのトランジット拠点として重要な位置を占めており、2011年は国際トランジット貨物が貨物取扱量の44.3%を占めた。国際トランジット貨物の割合は輸送機関別で見ると、鉄道が52.8%、トラックが28.1%、船舶が68.2%だった。

\

エストニアの港湾の貨物取扱量は12年に前年比10.4%減の4,350万トンに減少した。CIS諸国への貨物輸送の中継点としてのエストニアは、ロシア、バルト諸国、フィンランドなど港湾との激しい競争にさらされている。世界銀行が155カ国を対象に物流効率性を数値化した12年のロジスティクスパフォーマンス指数 (LPI) でエストニアは65位。周辺国はラトビアが76位と、ロシアが95位、フィンランド3位、リトアニアが58位だった。

\

エストニアの港湾にとって将来的に大きな脅威になると見られるのが、現在ロシアで建設中の巨大港、ウスチ・ルガ港だ。フィンランド湾に面する同港は、貨物処理能力が1億8,000万トンと、欧州三大港湾のひとつであるハンブルク港の昨年の取扱量(1億3,100万トン)を上回る。同港が稼働を開始すれば、トランジット拠点としてのエストニアの港湾の存在感が低下することは避けられないと見られている。

\

エストニア物流産業の今後の見通しについて専門家は、スカンジナビア諸国と東欧、ユーラシア大陸の南部・西部を結ぶ高速道路「ヴィア・バルティカ」と鉄道路線「レイル・バルティカ」が完成すれば、欧州の物流拠点としてのエストニアに新たな可能性が開かれると指摘している。

\
ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |