2013/9/18

ロシア

ロシア、EV普及に課題

この記事の要約

ロシアで電気自動車(EV)が苦戦している。同国のEV保有台数は首都モスクワで200台、全国でも500台にとどまる。2011年10月から今年1月中旬までに販売されたEVはわずか90台だった。\ EVの販売が伸びない理由には […]

ロシアで電気自動車(EV)が苦戦している。同国のEV保有台数は首都モスクワで200台、全国でも500台にとどまる。2011年10月から今年1月中旬までに販売されたEVはわずか90台だった。

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EVの販売が伸びない理由には充電インフラの貧弱さやEVの販売価格が高額であること、ロシア人の環境意識の低さに加え、寒冷地が多いロシアではEV走行に気象条件が適していないことなどが挙げられる。7月に国営会社「ロシア郵便」が仏ルノーとのEVリース契約を解消したことに象徴されるように、企業の間でもEVを導入する意欲は高いとはいえない。

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それでも、業界関係者はロシアでもEV普及に明るい見通しを持っている。ロシア商工会議所の自動車戦略イノベーション小委員会のパンコフ議長は、充電インフラの普及とEV購入者に対するインセンティブの強化によって、2020年までに自動車保有台数に占めるEVの割合は10%に上昇する可能性があると指摘する。

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ロシア国内メーカーも、EVやハイブリッド車の量産に向けて動き出している。富豪ミハイル・プロホロフ氏率いる投資ファンド、オネクシム・グループ傘下の自動車メーカー、ヨ・オートは、2015年からハイブリッド車の量産を開始する。年間2万台を生産し、18年から年間4万台に引き上げる計画だ。トラック大手カマズも20年までにEVを市場投入すること目指し研究開発を進めている。また、自動車最大手アフトワズは「ELラーダ」100台をスタブロポリ地方政府(北カフカス連邦管区)から受注した。ELラーダは、アフトワズの乗用車「ラーダ・カリーナ」をベースに開発したEVで、最高速度は時速140キロメートル、フル充電時の航続距離は150キロメートルで、価格は120万ルーブル。アフトワズによると、EV市場は成熟していないため、ELラーダの生産は当面は受注生産にとどめる方針だ。

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