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2014/2/5

バルト三国

バルト三国の経済快調、今年も3~4%成長

この記事の要約

バルト三国の経済は今年も回復基調が続きそうだ。欧州連合(EU)の欧州委員会の予測によると、エストニア経済は今年3%、ラトビアは3.6%、リトアニアは4.1%拡大すると見込まれる。2008年の金融危機の打撃は他の国よりも大 […]

バルト三国の経済は今年も回復基調が続きそうだ。欧州連合(EU)の欧州委員会の予測によると、エストニア経済は今年3%、ラトビアは3.6%、リトアニアは4.1%拡大すると見込まれる。2008年の金融危機の打撃は他の国よりも大きかったが、厳しい措置が奏功していち早く回復基調に乗り、危機前の最高記録を近く更新できそうな勢いという。

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バルト三国では経済の急速な悪化を受けて、◇公的・民間部門における徹底したコスト削減◇賃下げ◇不動産を含む物価低下――を通して国際競争力を強化。輸出高は09年から12年までに三国のいずれも90%を超える増加を示した。

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景気回復に伴い投資も増加。失業率が低下し賃金が上昇した。個人消費も拡大し、昨年はエストニアとラトビアで経済成長をけん引した。

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今年は比重に違いはあるものの、いずれの国でも消費、投資、輸出の全てで成長が見込まれる。内需拡大で、外国企業にとってもバルト諸国への物品・サービスの輸出に追い風が吹きそうだ。

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バルト三国は財政面で優等生ぶりをみせている。危機脱出の過程でも国内通貨の対ユーロ為替相場が安定して推移し、エストニアは11年、ラトビアも今年、ユーロ導入を果たした。リトアニアは15年の導入を目指している。国家債務でも財政赤字でも、ユーロ採用国に履行が義務付けられる財政規律を満たしている。

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