2015/6/3

ハンガリー

フィッチ、ハンガリーの格付け見通しを引き上げ

この記事の要約

米格付け大手のフィッチはこのほど、ハンガリーの格付け見通しを従来の「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。格付け自体は投資不適格級で最上位の「BBプラス」に据え置いた。ムーディーズとスタンダード&プアーズ(S&#038 […]

米格付け大手のフィッチはこのほど、ハンガリーの格付け見通しを従来の「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。格付け自体は投資不適格級で最上位の「BBプラス」に据え置いた。ムーディーズとスタンダード&プアーズ(S&P)もハンガリーの信用力を「投機的」等級に位置付けている。

見通し引き上げの理由として、◇経常収支など対外要因の改善◇実質国内総生産(GDP)成長率の上昇◇税率引き下げによる銀行事業の正常化に向けた動き――などを挙げた。また、格上げにつながる要因としては、◇政策の安定性及び予測可能性の向上◇事業環境の改善◇対外債務の継続的な削減◇財政再建の進展――を挙げている。

ハンガリーはオルバン政権による個人年金基金の国有化や高率の銀行税導入を受けて、格付け各社から数度にわたり格下げを受けた。その後の経済環境の改善により、14年の政府債務は減少。政府は今年のGDP成長率を3.1%と予測する。