2015/6/3

ロシア

ガスプロムネフチ、人民元建てで石油を輸出

この記事の要約

天然ガス世界最大手のガスプロムの石油子会社であるガスプロムネフチは5月29日、中国への石油輸出に関連し、今年初めから人民元建て決済を導入したと発表した。欧米諸国による制裁で米ドルやユーロの外貨調達が難しくなっていることに […]

天然ガス世界最大手のガスプロムの石油子会社であるガスプロムネフチは5月29日、中国への石油輸出に関連し、今年初めから人民元建て決済を導入したと発表した。欧米諸国による制裁で米ドルやユーロの外貨調達が難しくなっていることに対応するものだ。ガスプロムネフチがルーブルと人民元による国際取引を始めたことは知られていたが、その規模は今まで公表されていなかった。

ガスプロムネフチが先月発表した2015年1-3月期決算によると、中国への輸送路である東シベリア太平洋パイプライン(ESPO)経由の輸出量は全体(160万トン)の37.2%、日量5万バレルに相当する。1日の為替相場を基にすると、年間輸出高は10億ドルに上る計算だ。

制裁により米ドル・ユーロ建てでの資金調達の可能性を奪われたロシア企業は、人民元での借入強化に努力している。ガスプロムは昨年シンガポール証取に上場。ロスネフチは複数のロシア銀行と人民元による融資枠設定に向けて交渉を続けている。