高級車大手のダイムラー（シュツットガルト）は今年、ドイツ本国の乗用車工場に総額30億ユーロ以上を投資する。販売拡大計画を受けた措置で、工場の生産能力拡張と近代化を進める意向だ。乗用車部門の生産事業を統括するマルクス・シェーファー氏が10日、明らかにした。
ジンデルフィンゲンにある同社最大の乗用車工場に10億ユーロ強、ウンターチュルクハイムのエンジン工場に10億ユーロをそれぞれ投じる。販売台数が最も多い「Cクラス」を手がけるブレーメン工場は7億5,000万ユーロ。このほか、コンパクトカーを生産するラシュタット工場にも投資する。
シェーファー氏はまた、世界の生産体制を最適化し、投資コストを削減する考えも明らかにした。具体的にはプラットフォーム、モジュールに応じて工場をグループ化。各グループのメイン工場が傘下の工場を統括するようにする。
同社はさらに、複数のモデルが混流する生産ラインの投入と労働時間の柔軟化により、需要の変化に速やかに対応できる体制も整える意向だ。同氏は「モデルの種類の増加、販売台数の恒常的な拡大、およびこれまでにない複雑さに対応するには柔軟性を大幅に高めなければならない」と語った。
