英自動車工業会(SMMT)が6月19日発表した2014年5月の国内自動車生産統計によると、乗用車は11万6,655台と前年同月に比べ9.8%減少した。英国の自動車工場では通常4月に4~5日間、生産を停止して生産ラインの整備やアップグレードなどを実施するが、今年は複数のメーカーが5月に同措置を実施したことが生産減少の主因という。1~5月の累計は前年同期比3.5%増の65万4,895台を確保している。
SMMTのホーズ会長は5月の生産減少も、「今後の見通しは明るい」と述べ、欧州市場の需要回復が英国で生産する新モデルにとって追い風となるほか、国内工場で行われた主要な設備投資で近く生産の準備が整うことを理由に挙げた。
■ 商用車生産、低迷も明るい見通し
商用車の5月の生産は前年同月比32.2%減の5,127台と大きく落ち込んだ。1~5月の累計も前年同期比22.8%減の3万917台に低迷している。国内の生産体制の再編による影響が依然として続いているためだが、ホーズ会長は「トンネルの終わりに明かりが見えており、夏以降にはこの影響も終わる。今後数カ月以内に新モデルの生産が始まり、生産台数を押し上げるだろう」との見通しを示している。
■ エンジン生産、輸出向け好調
5月のエンジン生産は前年同月比4.2%減の21万3,603基にとどまり、1~5月の累計は前年同期比1.1%減の108万2,651基だった。輸出向けが好調で、輸出比率は全体の約65%に達している。