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2015/2/20

企業情報 - 部品メーカー

独エルリングクリンガー、米AT部品メーカーを買収

この記事の要約

独自動車部品大手のエルリングクリンガーは13日、米自動車部品メーカーのM&Wマニュファクチュアリング(以下、M&W)を買収したと発表した。北米や中国などで自動変速機(AT)向けのスペーサープレート(制 […]

独自動車部品大手のエルリングクリンガーは13日、米自動車部品メーカーのM&Wマニュファクチュアリング(以下、M&W)を買収したと発表した。北米や中国などで自動変速機(AT)向けのスペーサープレート(制御プレート)事業を強化する。高性能ATやデュアルクラッチトランスミッションの需要は大幅に増えており、スペーサープレートのような中核部品の需要は今後さらに拡大すると見込んでいる。

エルリングクリンガーはM&Wのオーナー一族から資本の100%を取得した。2015年2月1日に遡ってエルリングクリンガー・グループの連結決算に組み込むため、M&Wの11カ月分の業績が2015年通期決算に反映される。

M&Wは米ミシガン州に2工場を持つ。従業員数は約100人。2015年は売上高で3,300万~3,400万ユーロを見込んでおり、営業利益(EBIT)は10%に近い1ケタ台となる見通し。買収価格は2015年の売上高の約80%(約2,700万ユーロ)で、エルリングクリンガーは450万ユーロの金融債務も引き受けた。

M&Wはエルリングクリンガーの特殊ガスケット部門に組み込まれる。当該部門はターボチャージャー用ガスケットや高温ガスケット、排気ガス再循環装置(EGR)や排ガスシステムの部品、ATやデュアルクラッチトランスミッションの制御プレートなどを生産しており、2014年は約2億ユーロを売り上げた。

■M&W、事業の国際化に課題

独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、M&Wは米自動車大手のフォードやゼネラルモーターズ(GM)などを顧客に持つが、顧客メーカーの国外事業の拡大による中国への部品供給に対応しきれない課題を抱えていたという。エルリングクリンガーは同社の中国工場でM&Wの製品を生産することができるうえ、M&Wの買収により製品の幅を広げることができる。

同紙によると、エルリングクリンガーとM&Wマニュファクチュアリングを合わせたスペーサープレートの市場シェアは約50%で、今後は同シェアを60%に引き上げていく方針という。

エルリングクリンガーは今後、開発や生産工程での協力などによりM&Wの利益率を改善していく方針を示している。『オートモビルボッヘ』紙によると、エルリングクリンガーはミシガン州の2工場の統合や両社の相乗効果などにより、2017年までにM&Wの利益率をエルリングクリンガー・グループの水準である15~16%に引き上げる計画という。

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